ONODERA_Kanae / Kalos Gallery

会期
 2016年6月11日(土)~7月3日(日)
 13:00~19:00 月曜日休廊
 入場料 ¥300 (期間中何度でも入場出来るパスポート制)


小野寺香那恵写真展 あのときの光と影の痕

私たちが目にしているこの世界は光と影で成り立っている。
どちらが欠けてもその姿らしきものは認識できないし、
そのどちらも絶妙なバランスで成り立っている。
光は影によって光にされるしまた逆も然りで、どちらかはそのかたちとなってただそこに存在する。
それはどちらがいいとか悪いではなく、どちらも互いの存在によってそこに在るのだ。

光の存在と影の存在というものがあるとすれば、私は確実に影の人間だと感じて生きてきた。
小さい頃から特別な才能もなく何をやってもうまくできなかった私。
そんな私に弟ができ、彼は私にとってみんなの注目を集める羨ましくてしょうがない「光の存在」だった。
家族は弟の存在に夢中になった。幼い私はそこに存在していていいのかわからなくなった。
そんな中で父が弟を写そうと買ったカメラが忘れられたように置いてあるのを見つけた。
好きだった本に載っていた写真を真似して撮ってみる。
そんな唯一の場所であった写真を、普段なかなか褒めてくれない母が褒めてくれた。

そこから写真を撮り続けさえすればいつか自分も光の存在になれると信じて無我夢中で写真を撮った。
しかしながら自分は自分でしかなくその自分にも光と影は存在し
またそれはおそらく自分が光だと見ているものの中にも同じように存在している。
写真を撮り続け人生を続ける中でそんなことを思うようになった。

光を探し続け暗闇の世界に光が差し込む、もしくは存在自体が光になることを待ち望んでいたけれど
この影であるはずの世界にも光は存在すること。
時に影や闇は色々なものを見せてくれて、それはギフトにもなり得ること。
そしてこの世界は美しいものであること。
その痕であるような写真たちはそんなことを教えてくれた。

それは必要としてそこにある。
それがただ痕を残していく。
それは今を形成する必要な痕だった。

これからも
ただただそこにある光と影の痕が残っていくのだろう。
あのときと同じように。


小野寺 香那恵


カロス・ギャラリーは、宮城県多賀城市在住の写真家小野寺香那恵(おのでらかなえ)による個展 「あのときの光と影の痕」を開催します。

小野寺は、多感であった10代半ばに写真と出会い、自らもカメラを手に撮影するようになりました。そんな折、母から写真を褒められたことをきっかけに、徐々に写真への思いを強くしていったと言います。その後バンタンデザイン研究所フォトグラフィ科へと進み、卒業後、プロカメラマンとしての仕事に就くようになります。結婚やがて出産を機にフリーのカメラマンで活動を始め、現在は自身のスタジオで、ブライダルや家族に関するプライベートフォトを撮影しています。

このような書き方をすると、仮に「写真家への道」というものがあるとするならば、典型例のひとつのように理解されるかもしれません。事実、小野寺は写真と共生することで、自分自身の存在やその理由を見出そうとし、日々自らが選択、実行してきた結果、現在写真家で或るのですから、まさしくなるべくしてなったということなのでしょう。しかしながら、日々写真を撮る行為を繰り返し、それを生活の糧としている多くの職業写真家と同様に、日常の忙しさも相まって、たとえそれが仕事以外のものであったとしても、自らが撮影した写真を作品と意識することはなかったと言います。モノを創り、発表する発露となるものはひとそれぞれですが、強い自己追求と欲求が必要とされ、そこに新たな刺激を求める行動が伴うことであると考えています。フリーとなり、ひとりの写真家として生きる覚悟を持ち、私生活では子を育てる親となり、無意識化で何かが変わり始めたことは想像に難くありません。それゆえ、作品を展示、発表する機会を持つようになったのは2015年以降とやや遅い始まりではありますが、今年はすでに3回のグループ展への出品を行い、今回が待望の初個展となります。

さて、本展ですが、あらかじめテーマやモチーフを設け、その内容に沿って、撮影や構成されたものではありません。初めに行ったことは、写真が唯一の拠り所であった幼かった頃から、無我夢中に写真にのめり込んでいた学生を経て現在に至るまでに撮影してきた多くの写真を、ひとりの写真家の眼で客観視することでした。これは、今までの写真人生の総括として過去を振り返る行為ではなく、写真そのものに宿る感情や感覚、温度や湿度といったものを再確認し、新たな価値を見いだす作業と言えます。やがて、作業を繰り返し行うことで、その時点で或いは現在にも繋がっているさまざまな感情や思い、それらに伴う痛みや喜びといったものが、確かな「痕跡」となり、ひとつの考えへと導かれていたことを理解するようになります。

自らが望むべく撮影された写真のいくつかは、姿、形そして情景そのものから湧き上がってくるイメージの良し悪しや美醜に関わらず、図らずもより深い部分で自分自身に関与し、影響を与えながら、写真家小野寺香那恵を形成していたこと、そしてここから見えてきたものを追い続けることが、これから先、自分が担う役割であると確信したのです。さて、それが何であるかは、ご覧になる方々に委ねることとしますが、本展が初個展であると同時に新たな写真家としての方向を指し示すものであることだけは間違いありません。

作品それぞれそして全体に残された「痕跡」から発せられる声なき声に耳を傾け、小野寺がこれまで見つめてきたこと、今後見つめようとするその先を感じ取り、ご覧いただく方々に少しでも何がしかの力を与えられんことを願って止みません。


多くの方々のご来廊を心より願っております。




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○作品仕様

プリント:デジタルCプリント、インクジェット・プリント
印画紙種類:RCペーパー、エプソン プロフェッショナルペーパー光沢
印画紙サイズ:A3、A2、A1、B1
予定作品点数:28点

○プロフィール

小野寺 香那恵 ONODERA Kanae

1979年 宮城県多賀城市生まれ
1995年 銀色夏生に影響を受け写真を始める
2000年 バンタンデザイン研究所フォトグラフィ科卒業
2013年 カハデルフゲテフォトスタジオオープン




○主な出展歴

2015年2月 TCR写真展 メリラボ 仙台市
2016年1月 集団仙台写真展 仙台メディアテーク 仙台市
2016年1月 TCR写真展 メリラボ 仙台市
2016年2月 Sha-gaku vol.10  カロス・ギャラリー

形式は、グループ展

 


11日(土) 13:00-15:30
12日(日) 13:00-19:00
14日(火) 13:00-14:00
16日(木)、23日(木) 13:00-16:30
26日(日) 未定
30日(木)、7月1日(金) 13:00-16:30                                                  2日(土)  13:00-15:30
3日(日、最終日) 13:00-19:00 

いずれも時間帯が未定ですが、決定次第更新します。

直接作家とお話をすることで、作品に対する理解も深まります。
是非とも、お越し下さい。

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