樋口清之写真展 「景色から情景へ、そしてそれらが風景に変わる」 / Kalos Gallery

会期
 2017年2月16日(木)~2月28日(火)
 13:00~19:00 月曜日休廊
 入場料 ¥300 (期間中何度でも入場出来るパスポート制)

終了しました。

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私たちは日々の生活の中で、多くの景色を目にしている。
しかし、それはただ通り過ぎるかのように眺めているだけで、そのほとんどが記憶にも印象にも残っていない。しかし、なんらかのきっかけで、眺める景色から、感情が動かされた時、それは無関心で無価値な景色ではなくなるのではないかと思う。

例えば今回のモチーフである高速道の建設。
それまで、全く興味も関心もなかった景色だったのに、工事が進むにつれてその姿は変わり続ける。粛々と進む工事と大きく変えられていく景色、その過程が異様だったし、そう思うと人間の幸福追求という欲望が自然を蹂躙しているように見えた。
でも、私も、人間の幸福追求という欲望がもたらした恩恵を受けている一人と考えた時、それはただのノスタルジーで、変わることを恐れているだけだとも思えた。すると、人間が手にした科学や技術という大きな力。そして、それらを用いて作り出したもの。それは力強く、美しいとも感じた。
何が正しいのか、それらを眺める度に分からなくなった。ましてや、人間の幸福とはいったいなんなのだろうなんて…。そういった、相反する様々な感情や疑問が、日々変わっていく景色を眺める度に生まれ、情景となって私に蓄積されていった。

現在、工事は終了し、日本中どこにでもあるような均一化された風景を私は今、眺めている。
失われてしまった物はもう二度と元には戻らない。
景色は変わっても答えは何も見つからない。一度、湧き起こった疑問が消える事もない。
でも、問い続けなければ、この感情も、あの日見た景色もいつか忘れ消えてしまう。
そして、また、ただ通り過ぎて行くだけの風景になってしまうと今は思う。



樋口 清之


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○作品仕様

プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ピクトリコ ソフトグロスペーパー
印画紙サイズ:A2、A3ノビ
予定作品点数:12点

○プロフィール

樋口 清之 HIGUCHI Kiyoyuki

1983年 福島県に生まれる。
色々と想像するのが好きな子供だったと聞いています。
高校生の時に音楽に目覚め一時、ギターに夢中になる。
そんな日の明け方、朝日に照らされた街を見て感動。
小さな事だったと思うが「もっと世界に触れていたい」と思い立ち散歩をする。
その後すぐに、ただ散歩するだけではもったいないと思いカメラを購入。
写真を撮り始める。
以来、色々な出会いを得ながら今も散歩は続いている。



○主な出展歴

2013年5月 個展「溶け出すように」
2015年5月 個展「日々から日々へ」
2015年12月 Sha-gaku in Fukushima 福島テルサ 福島市
2016年5月 個展 「毒入りのサンドイッチ」
2017年1月 「Gallery Selection 2016」


その他多数の出展歴有り、 形式は、個展以外は企画グループ展
会場は、「Sha-gaku in Fukushima」以外はいずれもカロス・ギャラリー